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LASTorder「Cherish」(PFCD-63)

販売価格 2,000円(税込2,200円)
型番 PFCD-63

レーベル:PROGRESSIVE FOrM
品番:PFCD63
フォーマット:CD
発売日:2016/11/13

詳細


2000年代で最もハードコアな音楽ジャンルの一つだったエレクトロニカは多くの優れた才能たちによって浸透と拡散が行われ、そのボキャブラリーは今やポップ・ミュージックの領域でも頻繁に用いられるようになった。そこでしばしば目立つのは、エレクトロニカ的なトラックの上でシンガーがメロディーを歌う「カラオケ的」な楽曲や、アコースティックとデジタルのサウンドを絡めた「フォークトロニカ」と呼ばれるエレクトロニカの派生ジャンルだ。エレクトロニカとポップ・ミュージックがリンクしたサウンドは、一握りの才能を除いて、未だこの二者が多くのシェアを占めているように見える。

LASTorderの音楽はそういった状況に抗うものだ。彼の作る電子音楽はポップ・ミュージックとして響くように作られつつも、それは「カラオケ的」でもなく「フォークトロニカ」でもない。彼にとって3作目となる『Cherish』を聴けばそれは明らかだ。Bibioやゴールド・パンダ、Serphと並べて聴けるポップな電子音楽が、マッド・サイエンティスト的なサウンドの追及によって達成されるというマジックがここにはある。安易なメロディーは存在せず、ヴォーカルやリズムをはじめとした全ての音が微細にエディットされ、一つの楽曲を形作る。美しく煌めくパズルのピースのような音色やニュアンスの一つ一つがウネリとなって出来上がった複雑なサウンドの中に、電子音響/エレクトロニカが持っていた、ただひたすらに新しいものを追い求めてゆく「音楽への厳しさ」が姿形を変えて確かに残っており、それが本作を傑作足らしめている。

インダストリアル・テクノがひと段落し、電子音楽が新たなフェーズを迎えつつある今、この若き才能が創り出す新たなサウンドに耳を傾けるべきではないだろうか。
音楽ライター・八木皓平


曲目


1. Cherish
2. Milk
3. Rubble & Oxygen
4. Painter's Novel feat. 柳本奈都子
5. Discal Smoke
6. Lilac
7. Embracing
8. 神様
9. Terminal
10. Winter Song
11. Hidden Era
12. Clockwork feat. Utae
13. きみにPlanet

プロフィール


LASTorder (ラストオーダー)
1993年生まれのトラックメイカー。
2010年、Shing02「Parallel Universe」のRemixを手掛け、2012年にはcokiyuの「Haku」のコラボレーション・シングルに参加。
2013年2月に1stアルバム『Bliss in the loss』を発表。同年11月にフリーダウンロードアルバム『Unreal Dialogue』をリリース、またAnnabel「夜の底」に作曲と編曲で参加する。
2014年7月、傑作2ndアルバム『Allure』をPROGRESSIVE FOrMよりリリース。
2015年、感傷ベクトル×LASTorder「雨と重さ」を作曲と編曲、Nujabes(feat. shing02)「Luv(sic)」にPart 4 LASTorder Remixを提供、またヒグチアイ「朝に夢を託した」「ペーパームーン」、山猿「先生ちょっと話聞いて…」に編曲で参加、The Wedding Mistakesのメンバーとしても2015年にアルバム『Virgin Road』をリリースする。
そして2016年11月、満を持して待望の3rdアルバム『Cherish』をリリースする。
郷愁と未来へと誘うエレクトロニカ。
今最も将来を嘱望される若手アーティストの1人である。

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