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ヒカシュー「絶景」(mkr-0014)

販売価格 3,000円(税込3,240円)
型番 mkr0014

レーベル:MAKIGAMI RECORDS
品番:mkr-0014
JAN:4571266200146
フォーマット:2CD
発売日:2019/4/24

曲目


DISK1
1. 筆を振れ、彼方くん 10:51 Wave the Brush,Mr.beyond 作詞 巻上公一 作曲 坂出雅海
2. 生きること 10:51 Ikirukoto 作詞・作曲 巻上公一
3. 入念 4:11 Elaborate 作詞 巻上公一 作曲 坂出雅海
4. にわとりとんだ 2:50 Chickens Fly 作詞 巻上公一 作曲 三田超人
5. テングリ返る 4:52 Return to Tengri 作詞 巻上公一 作曲 坂出雅海
6. もったいない話 4:20 A Waste of Inspiration 作詞 巻上公一 作曲 坂出雅海
7. 天国を覗きたい 5:50 Peek Into Heaven 作詞 巻上公一 作曲 野本和浩
8. ニョキニョキ生えてきた 11:54 Sprouting Up 作詞 巻上公一 作曲 佐藤正治
9. びろびろ 7:26 Biro-biro 作詞・作曲 巻上公一
total time 60:06
ゲスト あふりらんぽ AFRIRAMPO 7,8,9 

DISK2

1. レトリックス&ロジックス 4:48 Rhetorics & Logics 作詞・作曲 巻上公一
2. ダメかな!? 4:09 No Good?! 作詞 巻上公一 作曲 三田超人
3. 20世紀の終りに 2:52 At the End of 20th Century 作詞・作曲 巻上公一
4. 庭師KING 6:20 Niwashi King 作詞・作曲 平沢進
5. グローバルシティの憂鬱 4:47 Melanchory in Global City 作詞 巻上公一 作曲 坂出雅海
6. ミサイル 3:01 Missile 作詞・作曲 平沢進
7. パイク 5:21 Pike 作詞 巻上公一 、作曲 山下康
8. RUKTUN OR DIE 3:41 Ruktun or Die 作詞・作曲 平沢進
9. ナルホド 10:24 Naruhodo(I Got It) 作詞・作曲 巻上公一
10. 美術館で会った人だろ 3:33 Art Mania 作詞・作曲 平沢進
11. プヨプヨ 7:31 Puyopuyo 作詞 巻上公一 、作曲 山下康

ボーナストラック
12. ヒカシュー&P-MODELメドレー 7:23
A Medley of songs of Hikashu & P-MODEL
(ラヴ・トリートメント〜ダイジョブ〜アルタネイティブ・サン〜いまわし電話〜ルージング・マイ・フューチャー〜「ラヴ」ストーリー)  
total time 64:01
ゲスト 
平沢進 Hirasawa Susumu 4,5,6,7,8,9,10,11
KERA、伏見蛍 KERA、Fushimi Hotaru 12


作品詳細


40周年を迎えてなお前人未到の領域へ変化し続けるヒカシューのライブを完全収録!!ゲストに平沢進を迎え、多くのファンを驚かせた共演はまさに絶景! 感動・必携の2枚組ライブアルバム!!
ゲスト:平沢進、あふりらんぽ
ボーナストラック: KERA&伏見蛍によるヒカシュー&P-MODELメドレー


このCDアルバムは、高音質配信中のライブアルバム『絶景』140分の中から厳選した音源である。ライブアルバム『絶景』は、2016年12月25日に代官山UNITで行われたヒカシューのクリスマスライブを収録したものである。2008年から始まったこのシリーズの第9回目のタイトルは、「ヒカシューの絶景クリスマス」。ヒカシューの演奏を中心に、多くのファンを驚かせたゲスト、平沢進を迎え、復活間もないあふりらんぽ、この企画のキューピッターであるKERAと伏見蛍が参加した。
高音質配信は、MCもすべて入ったフルバージョンであるが、CD化においてMCのいくつかをカットした。その分、曲そのものを存分に楽しめる構成になっているかと思う。DVD付きだった初回限定盤に続く通常盤発売にあたり、オープニングアクトをボーナストラックとしてDISK2の最後に付した。ヒカシューにあふりらんぽが加わった「天国を覗きたい」の自由さや、後半、平沢進の「庭師KING」を巻上公一が歌い、ヒカシューの「パイク」を平沢進が歌うところは、このライブの白眉とも言うべきところである。観客の熱狂も最高潮に達した。

この年のクリスマスライブの宣伝コピーは、以下のようなものだった。

クリスマスに歴史がうごく
チェクチ半島の犬橇が運んでくれた奇跡なのか
カムチャツカはアヴァチン山のつるし雲
虹から虹の絶景にサンタクロースのプレゼント!
ヒカシューのステージに
満を持して待望のゲスト 平沢進が登場
プラスチックス、ヒカシュー、P-MODEL
1980年のテクノポップの誕生期を代表する
3グループの雄の完結編
待ちに待った邂逅の1コマを見逃すな

その絶景ともいうべき音の収録は、エンジニアの村上輝生氏によるアイデアで、コルグのMR‐2000Sを16台同期して動かし、32CHのDSD5.6MHzによるライブ録音に挑戦した世界初の試みだった。レコーディングのオペレーションは、DSD録音・編集のエキスパート、粟飯原友美さんが担当した。
収録されたDSD音源は、市ヶ谷のSound Valley Aスタジオで、MR‐2000Sの音を全てSSLのアナログコンソールに入力し、マニュアルでミックスし、それを別のMR‐2000Sに収録した。CDの128倍のサンプリング速度で空間そのものが収録されると言っていいDSDの録音だが、直しやオーバーダブには適していない。まさにそのままの状態をそのまま再現する感じであった。

使用機材
Recording Equip :
Mic Pre : RME Micstasy x2 Mackie Onyx 800R x2
DSD Recorder : Korg MR2000S x17
Mixing Equip :
Solid State Logic SL6072G Console @ Sound Valley Studio A
Lexicon 480L

このようにDSD録音ミックスされた音源を、坂出雅海が編集、粟飯原友美さんのスタジオでCD用のマスタリングを行った。
ヒカシューのライブアルバムは過去一枚のみで、『絶景』は現メンバーよる最新のライブ演奏を収めた貴重な盤となった。

ヒカシュー
 巻上公一 (歌、テルミン、コルネット、尺八)
 三田超人 (ギター、歌)
 坂出雅海 (ベース)
 清水一登 (キーボード、バスクラリネット)
 佐藤正治 (ドラムス)

ゲスト
平沢進 (歌、ギター)
あふりらんぽ
 ONI (歌、ギター)
 PIKA(歌、ドラムス)
KERA (歌)
伏見蛍 (ギター)

企画 巻上オフィス
協力 (有)ケイオスユニオン

コメント


まさに絶景

ヴロツワフの「名も無き通行人」は
交差点を地中に入って行き出て行く彫刻作品で
その暫く先にポンチキで有名な店がある
なんともドンカマチック(リズムボックス風)な響きである
ポンチキとはポーランド風の揚げドーナツで中に餡が入っている
ヤブーコ(林檎)からトッフィー(バニラ)まで
たくさんの種類を詰めてもらいおみやげにした
そのボリュームはたっぷりでいて
初めての人間にも郷愁を提供する暖炉のような温かみがあり
記憶の片隅で独特のテーマ曲を奏でていた
それは「あの時」を思い出すにはもってこいの場所だった
まさに万感と呟いた あの
プラスチックスと共演した2013年のクリスマス
その翌年にH氏に共演を打診してから2年の歳月が経っていた
生命を鼓舞する独自の音楽は孤高の域にあり
ファルセットは幾重にも上昇し
天体をうごかす身のこなしはあくまでも軽やかな
かけがえのない旧友からの返事は
誰が運んでくれたのだろうか
さらに行くとクリスマスマーケットで賑わう中央市場広場
その脇道にグロトフスキー研究所があり
20世紀演劇の巨匠が晩年を過ごした街に来た感慨に浸った
「持たざる演劇」は超絶的肉体を礎にしている
一方クラクフのカントールの舞台では人間と人形が交換している
そのどちらも安易に絶景を見せることはない
明晰である必要はなく本日もまたいつもの曇り空なのだが
思考は無数の水たまりをつなぎ合わせていく
今日もし絶景と出会えるとしたら
あの焼き栗売りの美女が「鼻血がでてますよ」と
差し出してくれた白いハンカチの彼方
H氏の答えとともに
ビロードの幕が開いた瞬間にある

巻上公一 2016年クリスマス
カムチャツカはアヴァチン山のつるし雲を見つめながら

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若旦那は今日も屋根の上。

若旦那とはかれこれ20年以上会っていなかった。
彼が昔、大勢の人に「いいもの」をくれたのを覚えている。そう、あの若旦那だよ。
勿論私もその恩恵にあずかり、気分の良い日々を過ごしたもんだ。

あれから20有余年、「気分のよい日」の記憶を常にハラワタの
どこかで回転させながら、忙しい日々を私は過ごしていたんだよ。
あっちへ行っちゃあ何かを成し、こっちへ行っちゃあ考えをヒネリ。
裏路地の騒音と「考えがデングリガエル音」との区別もつかずに、せわしく
往来を行き来している時、何度か上の方から聞き覚えのある
声が「よお、平沢の」と呼ぶのを聞いたような気がするんだな。それでも
私は成すことを沢山包んだ風呂敷と、ヒネらねければならない考えの
入った瓶を抱えて往来を行き来していたんだよ。

それから2年。風呂敷はますます膨らみ、瓶も蓋が閉まらない程だ。
そしてまた聞こえたんだよ。「よお、平沢の」ってね。待てよ、あの艶のある
声、茶屋遊びの都都逸と能の謡いを宿してキテレツにカーブする声…。

ふと見上げれば案の定、若旦那だ。「よう、平沢の」と、若旦那はニコニコ
しながら言った。「2年前から呼んでたんだよ。何をそんなに忙しくしてるんだい?」
私は風呂敷と瓶を地面に置いて、懐かしい若旦那の顔をもっとよく見ようと
額に手をかざしたんだ。するとどうだい、若旦那は全然変わっちゃいない。
ふとハラワタの何処かで「そうか、屋根の上には”いいもの"があるんだったな」
という小声が回転した。

「こっちへ来ないかい?平沢の」

「そっちには何があるんだい?」

若旦那は額に手をかざし、遠くの方を仰ぎ見た。

「絶景だよ」

「絶景?!」

「そうさ、絶景さ。はやく登って来なよ」

私は地面に置いた風呂敷や瓶が気になったが、それよりも若旦那との再会と、絶景を選ぶことにした。再び額に手をかざし、若旦那を仰ぎ見てこう言った。

「勿論さ!今登って行くよ、巻上の!」

平沢進
(2016.12 ヒカシュークリスマスライブ『絶景』にて配布された「ヒカシューニュース」に寄せて)

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