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てあしくちびる「さん」(CL-039)

販売価格 2,000円(税込2,200円)
型番 CL-035

レーベル:Club Lunatica
品番:CL-039
フォーマット:CD
発売日:2019/12/25

詳細


こんなにちかくて
"ここはさいはて あなたのまうら はるかなよはくにくちづけ" を
ことばあそびオルタナティブ「てあしくちびる」これまでで最もポップな傑作3rd Album『さん』2019年、日本。

バイオリンとギター、2人きりの声と言葉で唯一無二の音楽を奏でるオルタナティブポップバンド「てあしくちびる」
2010年結成以来、アコースティックな編成ながらフォークやロックのみならず、ハードコア パンク、ヒップホップ、クラウトロック、ブラジル音楽、ポストパンク・ノーウェイヴ等を飲み込んだ雑多な、しかし虚飾ではない切実さを伴った突然変異的音楽性で独自の活動を続ける。
2016年の2nd Album『coreless』以来およそ3年ぶりに発表する3rd Album『さん』は、旧知のミュージシャンたちの協力を得て、これまでで最もポップかつ多彩な作品に仕上がった。時代性を色濃く反映させながらも、削ぎ落とされた音・言葉・リズムの中には、「生活」から精製された重量感、躍動感、すっとぼけたちが決然と同居する。
「これから」を生きのびていくための音楽。全8曲。


曲目


1. ネオノルマ
2. d.t.w.
3. グリストラップ ミー
4. たららぬま
5. パス
6. チャンスロス
7. できたての化石
8. いわせてきかせてアイラブユー

推薦コメント


気づきたい気づきたくないこの国が沈んでいってることなんて。
「これが普通だと思っていたい」と思っていた僕らをてあしくちびるは優しく抱きしめている。

突然だが、夜空はプロジェクターだ。
日々の生活そこかしこに滲み出ている感情を映し出すプロジェクターだ。
皆がそれを隠す、見ないふりをする。
でも遅かれ早かれ溢れ出してしまう。
そう、てあしくちびるのうたを聴けばそのスピードはさらに加速していく。

河内さんのギターのピッキング、くっちーさんのバイオリンのピチカートは星になり、二人の声のうねりが描く曲線はその星達を繋げて星座を描き出す。
見ろよ、あの「手」「足」「唇」が織りなす冬の大三角形。

てあしくちびるは知っている。
とびあがる方法を知っている。
僕らが僕らの気持ちをこれでもかときちんと知ること。
それだけがとびあがる方法だと繰り返し繰り返し、手と足と唇の限りを尽くして教えてくれている。
今てあしくちびる『さん』を聴かないで何を聴くんだい?
君の耳と心はとうとう詰まってしまったのかい?

てあしくちびるのお二人、素晴らしい作品をありがとうございます。
歌詞、演奏、歌唱、サウンドの全てが、ただそのまま居るだけで強烈なプロテストのステイトメントになっていることに衝撃を受けました。
『さん』は断トツにセクシーでロマンティックでリアルな最高傑作です。
ぜひその誕生を祝福させてください。

おめでとうございます!!!!!!!!


青柳崇(ビイドロ、はなし、obaketachi)

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諦めでも卑屈でもなく、清々しいほどにどうしようもないことが、おれらの目の前に在る。壊す、よける、乗り越える、周り右して歩き出す、そのどれでもなかったか、またはそのどれでもあったのか。兎に角二人は、この音に辿り着いた。前にも後ろにもついた目、無数の手と足で蠢きながら、一つの言葉を紡ごう。あらゆる苦を噛み砕き、この異形の世界に「愛している」と、声に出して言ってみよう。風呂上がりの子供、茹でたての麺。まだ此処で、がんばらないといけないんだ。

折坂悠太

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てあしくちびる の「さん」を聴いた。
まるでたまたま自分だけは聴く機会のなかった、すでにずっと以前から存在する彼らの代表作のようだと感じた。

そしてこんなことを思う。
ギターとバイオリンと二人の歌という編成、あるいはそのすがたかたちだけから、てあしくちびる の歌と音楽を思い描けるものはきっと居ない。
(スタイルが、誰にも似ていない、という事情に、当人達も散々振り回されたこともあっただろう。なにせ手本がないのだから。説明する言葉がないのだから。)
てあしくちびる が、どうしてこうなってしまうのかわからない出来上がりに至るのは、どうしてもこうでなくては語り得ない語法と語彙に、二人が気がついたら出会ってしまっていたからだ。そしてそこを真摯に愚直に突き詰めるのは、まだ誰も手を差し伸べてない事柄に気づいてしまった者たちの矜持ゆえなのであろう。
しかし、てあしくちびる はそこすら軽やかに笑い飛ばす。ちょうど、たまたま当番だったから拾ったんですよ、とでも言うように。

これは出来立ての「定番」だ。広く長く大事にされる一枚だ。
そして、ここにはじまりつながるものたちに、聴き手のわたしたちは、名前をつけてやらねばならない。

佐藤幸雄

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世の中に転がっているなんでもないようなことを、気まぐれに手に取っては宙にかざしたり裏返したりしてみつめながら歩いていると、それは暮らしの情景をなぞることにもなり、見えるまんまを描いてみても、そこに宿る愉しみも憤りも露になる。一聴して素朴な肌触りのアンサンブルが、耳にくすぐったく近寄ったり、叙情的に大きく広がったり、激情が絡まって雪崩れ込んできたりするのを聴き進んで行くと、気まぐれに拾い上げた掴みどころのないもの全てが、実は一貫した意識によって選り出された事柄なのだと分かる。まるで乾いていながら胸の奥を揺さぶる映画を観た後のように、強い余韻を胸に焼き付けるアルバムである。

二宮友和 (PANICSMILE / uIIIn)

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プロフィール


てあしくちびる (TEASHI KUCHIBIRU)

Kawauchi Banri / Voice,Guitar,etc.
くっちー / KUCCI Voice,Violin,Cello,etc.

2010年結成。バイオリンとアコースティックギターと2人の声のみでありながらも、その編成からは想像もつかないアグレッシブな演奏と、オルタナティブでポップかつ突然変異的な音楽性で独自の活動を続けている。2014年1st Album 『Punch!Kick!Kiss!』発表。2016年2nd Album『coreless』発表。

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