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レーベル:compass tone(map)　
品番:CT0001
フォーマット:CD
2002年11月15日発売

「彼女は最高に美しい・・・。」
---サーストン・ムーア

アメリカン・オルタナティヴ・コミック界の奇才であり、かつてサンフランシスコの異端中の異端集団キャロライナー（・レインボー）等でも活動していたテイム・ダーシー。
本作は、ダーシー出演の同名ミュージカル（彼女は数多くのアンダーグラウンド・ムーヴィーに女優としても出演）のために制作されたサウンドトラック6曲に、20曲のボーナストラックを追加したベスト盤的内容です。

本編は、昨年の来日公演にも同行したヴィクター・クレテラとのコラボレート・ユニット"Jam In Eyes"を彷彿とさせるチープでニューウェイヴィな「Surturn Return」や、2001年9月11日ニューヨークでの出来事に対して書き下ろした「Terror Town」、ダーシー心の故郷ともいえるトラディショナル・ソング「Dead Horse Shanty」、「Battle Hymn of the Republic」等々を収録。

ボーナストラックにはk.レーベルからリリースされていたシングルのアウトテイクも収録。バンジョーの弾き語りやミュージカル・ソーを巧みに用いたオールドタイミーでノスタルジックな空気感のあるものから、キャロライナーにも通じるジャンク極まりないもの、また、サウンド・コラージュを用いたエクペリメンタルな展開で聴かせるもの、初期パンクの衝動をそのまま起こしたハードコアなもの、靄のなかから届けられるアシッド・フォーキーな佳曲、ヴァイオリンの響きが深く響くクラシカルな楽曲まで多岐に渡る。残念ながら当初予定していたカクテルズとのコラボレート曲は今回は見送りとなったが、期待を大きく越えるバラエティに富んだ内容となっている。

当初、2001年末に発売される予定だったこのアルバムだが、彼女から届けられたマスター・テープは何とダビングにダビングが重ねられた1本のカセット・テープ（笑）！　聞けば母親からプレゼントされたカセット・デッキで制作されたとのこと。深きヒスノイズの奥底に潜む美しき響きを掘り起こし、ようやく今回の発売に至ったという訳。

この1枚が、奇才デイム・ダーシーのすべてを表しているわけではないけれど、これまでなかなか実像が見えなかった彼女を知る手がかりとなることは間違いない。とにかく聴いてみなければなにも見えてこない。そんな音楽です。