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レーベル:Quasi Pop Records
品番:QPOP CD044
JANコード:4582237811360
フォーマット:CD
2007.2.28発売

[track list]
1 Lunar Sinus
2 Structure of IKI 1
3 Sleeping Flow
4 07/07/2005
5 Structure of IKI 2
6 Tone Redust


京都在住のソロアーティストによる1stアルバム「Tone Redust」、ウクライナのQuasi Pop Recordsよりリリース。

はっきり言ってイシダのデビューアルバムを正確に描写することは難しい。
表面上この音楽には生活からの多くの自発的／偶発的な物音が含まれている。しかしそれらの音が他の要素による背景の上に描かれているのか、それとも前景である他のなにかのために自らを背景として差し出しているのか、そのことをはっきりとさせるのは不可能だ。そしてアコーXティックギターによって奏でられる素朴で単純なコード、カチカチとした物音、虹色のシンセウェーブと緩やかなドローンが存在する。よくある言い方をすると様々な調があり、様々な拍子がある。
しかし概して「Tone Redust」 の構造と本質とは、よくある「アンビエント」なゆるやかな流れであったり、小節とリズムによって編まれた「ポップ」な格子模様ではない。もしかするとイシダの作品は、言わば脱構築されたデジタルなフォークバラードや、限りなく切りつめられたジャズピースなのかもしれない。
そしてまた重要なことは、ここにあらかじめ用意された構造はない。音楽が存在のプロセスにおいて成長して行く、ただそのような何も望まない音の風景があるだけだ。これは退屈な日常からより造形的で冒険的な何かへと映り変わる、その瞬間の凝固なのである。一方でこの不安定な風景は古来から永遠に解決されぬ二つの選択肢の間に存在している。（次の音、次の音程、その度ごとのイヴェントを）なすべきか、それともなさざるべきか。
このアルバムはHapnaやLucky Kitchenといったレーベルにある、環境音のレコーディングの系譜に属する。全ての作品はイシダ自身によるアコースティックギターやシンセサイザーやフィールドレコーディングによって成り立っている。これはその日本人アーティストによるQuasi Popからのデビュー作品である。


【Naoki Ishida プロフィール】
京都在住のソロアーティスト。
参加していたバンドの解散後、2003年頃よりソロでの活動を始める。ギター、エレクトロニクス、フィールドレコーディング．．． これらの要素をフリージャズ、アンビエント、伝統音楽といった土壌の上に構築。ユニークな音は、所謂、 digital folk や minimal acoustic jazz-ambient に基づくかもしれない。ウクライナはキエフのQuasi Pop Recordsより1stアルバム「Tone Redust」をリリースする。 また2007年には東京のInterMusic、フランスのMUSEAからの共同リリースも控えている。