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レーベル:compare notes(map)
品番:CN-0017
JAN:4582237815184
フォーマット:CD
2008.4.28発売
※タイトルが変更になりました
[track list]
1.空に響く歌
2.smile & says
3.echo
4.lete
5.slow
6.dalton
7.いとなみ
8.巡り
Artwork:小田島 等
[作品紹介]
とても穏やかに、とても真摯に、狂い続けているポップ・ミュージック
誰の耳にもまっすぐに届く、微音で形作られる大きな大きな世界
耳馴染みがいい、ということは決して凡庸ということではない。アヴァンギャルドとは、奇をてらったものという意味ではない。そして、東京のアンダーグラウンド界の中でも、まったく異端の道をゆっくりと歩き続けるlakeの音楽は、一聴すると、とても優しく、透明感に溢れ、どこか古き良き時代のスタンダードな風格さえ感じさせるもの。しかし、耳をそばだててみれば、その音の端々からこぼれ落ちてくる“奇妙な手触り”に気付かされることだろう。その“何か”とは、“どこにもない音楽”を作ろうとする彼らの意志、演奏者のエゴの欠片もなく旋律にすべてを捧げた自意識の低さに他ならない。だからこそ、彼らは、この八編の楽曲を完成させるのに、多くの時間を要さざるを得なかったのだ。これまで唯一の音源が、高円寺・円盤からの7インチ・シングル「slow/空に響く歌」だけというのも、彼らの実直すぎる性癖が妥協を許さなかったゆえだろう。
lakeの活動は、思いの外長い。ギタリスト長久保寛之とベーシスト伊賀航が共に演奏を始めたのは、今を去ること10年近く前のこと。当初はスピリチュアルなジャズを根底にたおやかな歌を聴かせていた彼らだが、数度のヴォーカリストやドラマーのメンバー・チェンジを経る毎に、それらメンバーの個性を生かすべく楽曲の姿は大きく変化。その結果、時代に合わせたデコラティヴな方向に向かうのではなく、旋律を唯一の進むべき指針として意識はよりミクロなものに。無駄な音をひとつずつひとつずつ外していき、ようやく今のlakeサウンドにたどり着いた、ということ。それはまるで、木の回りをグルグルと回り続けた虎がバターに変わったかのように、ほとんど原型を残してはいないけれど、だからこそ特別な旨みがそこにギュッと凝縮されているといえよう。フルート&ヴォーカルの岩下聡子はもちろん、最も新しいメンバーであるドラマー北山ゆう子の音が、長久保、伊賀以上に生き生きと耳に届いてくるのも、演奏者としての四片が拮抗して成立しているからだろう。また、その微妙な“狂い”に反応しているのが、今回ジャケットを担当している異才・小田島等や円盤の田口史人、ライヴでも参加することもあるテニスコーツの植野隆司というのも面白い。
そんな試行錯誤を繰り広げた結果、ようやく産み落とされた本作は、日本のポップ・ミュージック・ヒストリーの中でもなかなか聴けないほどの乾ききった質感であなたの耳をとらえることだろう。太弦のエレクトリック・ギターの丁寧なクリーン・トーン・アルペジオ、ヴォーカル以上に饒舌な旋律を編み込むタイトなベース・サウンド、パーカッシヴな抑揚で音全体に見事なアクセントを刻むドラム、天から降るかのようなフルートと地に足がしっかり付いたヴォーカル。それらがアンサンブルで鳴り響く時、あたかもバンドそのものがひとつの楽器であるかのような錯覚を引き起こす。元々スロウなジャズ・テイストのギターとベースが対話するかのように時間を紡ぐM-2、ほとんどワン・フレーズでぐいぐいと大きな時間に引き込んでくるM-3、インタールードと呼ぶにはあまりに美しく切ないインスト曲M-6、サックスのファンキーなシーケンスがリズムを導くスピリチャルな名曲M-7、そして全員コーラスで決めるM-8。感情を間違っても荒立てることのない岩下の艶やかな歌声ももちろん魅力のひとつ。耳にスルリと入り込むけれど、頭を振り続けても二度とこぼれ落ちない珠玉の名曲集がここに完成した。
夜の帳の中一筋の光が差し込むとんでもない音。それは、多分、希望とでも呼ぶべきもの、だ。
品番:CN-0017
JAN:4582237815184
フォーマット:CD
2008.4.28発売
※タイトルが変更になりました
[track list]
1.空に響く歌
2.smile & says
3.echo
4.lete
5.slow
6.dalton
7.いとなみ
8.巡り
Artwork:小田島 等
[作品紹介]
とても穏やかに、とても真摯に、狂い続けているポップ・ミュージック
誰の耳にもまっすぐに届く、微音で形作られる大きな大きな世界
耳馴染みがいい、ということは決して凡庸ということではない。アヴァンギャルドとは、奇をてらったものという意味ではない。そして、東京のアンダーグラウンド界の中でも、まったく異端の道をゆっくりと歩き続けるlakeの音楽は、一聴すると、とても優しく、透明感に溢れ、どこか古き良き時代のスタンダードな風格さえ感じさせるもの。しかし、耳をそばだててみれば、その音の端々からこぼれ落ちてくる“奇妙な手触り”に気付かされることだろう。その“何か”とは、“どこにもない音楽”を作ろうとする彼らの意志、演奏者のエゴの欠片もなく旋律にすべてを捧げた自意識の低さに他ならない。だからこそ、彼らは、この八編の楽曲を完成させるのに、多くの時間を要さざるを得なかったのだ。これまで唯一の音源が、高円寺・円盤からの7インチ・シングル「slow/空に響く歌」だけというのも、彼らの実直すぎる性癖が妥協を許さなかったゆえだろう。
lakeの活動は、思いの外長い。ギタリスト長久保寛之とベーシスト伊賀航が共に演奏を始めたのは、今を去ること10年近く前のこと。当初はスピリチュアルなジャズを根底にたおやかな歌を聴かせていた彼らだが、数度のヴォーカリストやドラマーのメンバー・チェンジを経る毎に、それらメンバーの個性を生かすべく楽曲の姿は大きく変化。その結果、時代に合わせたデコラティヴな方向に向かうのではなく、旋律を唯一の進むべき指針として意識はよりミクロなものに。無駄な音をひとつずつひとつずつ外していき、ようやく今のlakeサウンドにたどり着いた、ということ。それはまるで、木の回りをグルグルと回り続けた虎がバターに変わったかのように、ほとんど原型を残してはいないけれど、だからこそ特別な旨みがそこにギュッと凝縮されているといえよう。フルート&ヴォーカルの岩下聡子はもちろん、最も新しいメンバーであるドラマー北山ゆう子の音が、長久保、伊賀以上に生き生きと耳に届いてくるのも、演奏者としての四片が拮抗して成立しているからだろう。また、その微妙な“狂い”に反応しているのが、今回ジャケットを担当している異才・小田島等や円盤の田口史人、ライヴでも参加することもあるテニスコーツの植野隆司というのも面白い。
そんな試行錯誤を繰り広げた結果、ようやく産み落とされた本作は、日本のポップ・ミュージック・ヒストリーの中でもなかなか聴けないほどの乾ききった質感であなたの耳をとらえることだろう。太弦のエレクトリック・ギターの丁寧なクリーン・トーン・アルペジオ、ヴォーカル以上に饒舌な旋律を編み込むタイトなベース・サウンド、パーカッシヴな抑揚で音全体に見事なアクセントを刻むドラム、天から降るかのようなフルートと地に足がしっかり付いたヴォーカル。それらがアンサンブルで鳴り響く時、あたかもバンドそのものがひとつの楽器であるかのような錯覚を引き起こす。元々スロウなジャズ・テイストのギターとベースが対話するかのように時間を紡ぐM-2、ほとんどワン・フレーズでぐいぐいと大きな時間に引き込んでくるM-3、インタールードと呼ぶにはあまりに美しく切ないインスト曲M-6、サックスのファンキーなシーケンスがリズムを導くスピリチャルな名曲M-7、そして全員コーラスで決めるM-8。感情を間違っても荒立てることのない岩下の艶やかな歌声ももちろん魅力のひとつ。耳にスルリと入り込むけれど、頭を振り続けても二度とこぼれ落ちない珠玉の名曲集がここに完成した。
夜の帳の中一筋の光が差し込むとんでもない音。それは、多分、希望とでも呼ぶべきもの、だ。
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